STEP ACROSS THE BORDER

レムスイムのドキュメンタリーDVD『豪速球DVD』(06年)を観る。好奇心の赴くままに様々な音楽の現場へと身を投じていくレムスイムの二人の雄姿に、かのフレッド・フリスの音楽の冒険を記録した"STEP ACROSS THE BORDER"('90)を思い浮かべた。
ただしこのDVDに写し取られた大久保由希のマルチプレイヤーぶり(特にドラム)、録音への執着、米国ルーツ音楽志向、歌を情緒や意味よりも発声や区切りの面白さで捉える感覚、ブライアン・ウィルソンへの(伝記的事実とは無縁の)傾倒、加えて「林立夫ってすごいよね」発言……などなどから思い浮かぶのは、フリスよりはどう見てもあの人。てなわけでDVDを観終えてすぐ『NIAGARA MOON』30周年盤に手を伸ばしたのだった。いつか、何かの拍子で福生にレムスイムの音が届けられたらいいと思う。そして、内田典文参加のバンド「モーソフ」は機会を見つけてライヴを観に行こう。

 値上げ

夜も7時を過ぎて銭湯へ。ちょっと遠出のつもりで学生時代に通った三鷹駅南口の銭湯に行くも休業日。そこから少し離れた銭湯へ行くと、値段が400円から430円に上がっていた。ううむ。それはそれとして中は広く、高温風呂はうちの近所では一番の熱さでなかなか気持ち良い。風呂を出て顔を洗うと垢が鬼のように出た。いや、毎日風呂には入っているのだが、これも高温の効果か。おかげでお肌が無駄にすべすべしっとり。湯上がりのコーヒー牛乳が今どき紙キャップなのも好印象。
帰りに駅ビルに寄り本屋へ。『アニメージュ』が『桜蘭高校ホスト部』特集だったので久々に買ってしまいそう。しかしアニメ誌を一般書店で買うのはさすがにきつい年頃に。こうしてブログで語るのもきつい年頃か(笑)。ちなみに今期で毎週欠かさず観てるのは『ホスト部』と『シムーン』のみ。百合人気狙いの際物と思われてそうだけど、『シムーン』面白いのよ。人がすべて女として生まれる世界で、同性同士の恋愛関係は通過儀礼を経て性が分化するまでの少女期に限定されるという設定は、むしろ意外なほど健全というか穏当だ。その世界観はル・グィン萩尾望都を思わせる。戦闘能力ゆえに聖別/選別される未成年というモチーフは『エヴァ』とか『エンダー』とか森博嗣スカイ・クロラ』とかに通じるし、観さえすればSFな人に訴求しそうな気も。他はまあ観たり観なかったり。マイメロの失速はやはり痛い。週60本放映されていても地上波VHFしか観られないとほとんど選択肢がないというのが、現在のよくわからないバブルの実情だったり(まあYのつくアレで観れば、てのも実情だが)。
その後スタバで文庫本を小一時間読んでから帰宅。