STEP ACROSS THE BORDER

レムスイムのドキュメンタリーDVD『豪速球DVD』(06年)を観る。好奇心の赴くままに様々な音楽の現場へと身を投じていくレムスイムの二人の雄姿に、かのフレッド・フリスの音楽の冒険を記録した"STEP ACROSS THE BORDER"('90)を思い浮かべた。
ただしこのDVDに写し取られた大久保由希のマルチプレイヤーぶり(特にドラム)、録音への執着、米国ルーツ音楽志向、歌を情緒や意味よりも発声や区切りの面白さで捉える感覚、ブライアン・ウィルソンへの(伝記的事実とは無縁の)傾倒、加えて「林立夫ってすごいよね」発言……などなどから思い浮かぶのは、フリスよりはどう見てもあの人。てなわけでDVDを観終えてすぐ『NIAGARA MOON』30周年盤に手を伸ばしたのだった。いつか、何かの拍子で福生にレムスイムの音が届けられたらいいと思う。そして、内田典文参加のバンド「モーソフ」は機会を見つけてライヴを観に行こう。