古本屋のない町

武蔵関のとある古書店を久しぶりに覗いてみると、店が潰れてもぬけの殻になっていた。80年前後のニューウェーヴ系やガロ系の漫画など、そこそこサブカル色の強い品揃えだったのだが、室内装飾に妙に凝ってみたり、古着を扱い始めたあたりでかなり迷走していたのだろう。これで武蔵関にあった4つの古本屋のうち3つがなくなったことになる。その最後に残った店にも寄ってみた。北村薫『リセット』(集英社文庫)が260円で出ている。買おうかとも思ったが、ブックオフの105円棚にありはしないかと、そのまま棚に戻した。武蔵関から古本屋が消える日は近い。