『ルパン三世(ルパンVS複製人間)』
何で今頃テレビ放映、と思いつつ観てしまった。いやあ面白いなあ。ひょっとして『カリオストロの城』よりも(笑)。中学生の自分は赤背広ルパンの軽薄さが嫌で、緑背広ルパンに共感したのだが、いい歳のおやじになってみれば『マモー』の遊び心を余裕を持って楽しむことができる。70年代末のアニメ映画ブームというのは、『スター・ウォーズ』に端を発するSFブームと同期していたことも思い出した。ええ、SFはその昔ブームだったのですよお若い方(遠い目)。その『SW』や『2001年宇宙の旅』からの臆面もないいただきは、おたく的な引用というよりは(そもそもそんなものはなかった)「流行りものとしてのSF」を取り入れようとする同時代的なセンスだったのだ。こういう風俗的な軽みは現在のアニメーション映画が失ったものだろう。こうしてみると『カリ城』がいかに反時代的な映画だったかも伺える(そりゃヒットしないはずだ)。リアルよりグラフィックに寄せた画面作りと、CTIフュージョン的な大野雄二の音楽とのマッチングも良好。エンディングの今は亡き三波春夫先生『ルパン音頭』がまた最高!