トトロのいない街…たぶん

心が渦を巻いて眠れぬまま朝を迎える。午前5時50分。詮方なく自転車に跨がり青梅街道を西へ。特に当てもなく小1時間も走ったら引き返すつもりが、どこまでも伸びる道筋の行方に気を取られ、線路を2、3本も越えたかと思うといつしか西武と丸井が並ぶ所沢の街に着いていた。西へ伸びる街道はダイナミックな景観の変化に乏しく単調で、2点間の移動という事実以上の感興がない。だらだらとペダルを漕ぐ内に距離と時間だけは消費していたのだ。ここでもうひと踏ん張りして多摩湖なり狭山湖なりに足を伸せばそれなりに風流めくのだが、ひび割れた舗石がやさぐれ具合を強調する商店街の松屋豚めしを食らったら何やら面倒になって、芸もなく同じ道筋を辿って帰路に就いたのであった。帰宅したのが午前8時45分。ピーター・バラカンの番組ではデッドのようなジャムバンドのライヴが延々と流れている。私は往復3時間かけて所沢まで松屋豚めしを食いに行ったのか。しかし歩道をちんたらよそ見しながら走ってこの時間だから、気を入れれば半分の時間で到達できるわけだ。到達してどうなるものでもないが。今度は多摩湖自転車道の端まで行ってみよう。もう何だかなあ。