踊る鍋奉行

12月に入り世間がなし崩しに歳末へと雪崩れ込む中、おそらく忘年会第一波として山下スキル亭にて恒例の鍋会が催されたのだった。んでもって私も恒例の鍋奉行なのだった。参加者十数名の腹を満たすべく3つの鍋に昆布出汁で煮込まれたのは、牛モモしゃぶ肉豪州産・豚ロースしゃぶ肉・鱈・牡蠣・海老・ホタテ・豆腐・白菜・大根・葱・椎茸・エノキ、けいさん持参のほうぼう・ハタハタ(?)・イワシすり身・ハモすり身、nukaさん持参の豚バラ肉という、過去比最大級の豪華さ。ちょっと頑張りすぎた気もするが、せっかくのパーティーだしこのくらいの非日常感があってもいいだろう。
鍋を囲み酒を酌み交わしプログレとソフトロックがせめぎ合うBGMを掻き分けて話に花が咲く。やがてはしばしさん持参のレアなビデオの鑑賞会に。あまりにレアなので内容はあえて書かないが、鍋奉行接待用に用意していただいた76年のソー・バッド・レビューの野外フェスライヴが大変に楽しく。金子マリ&バックス・バニーや紫(!)の演奏も「昔のロックの人」としては大いに喜んだのだった。やっぱり日本のロックははっぴいえんどじゃなくて紫だよな! それにしても70年代のバンドはことごとく演奏が上手い、そしてあからさまにカタギの人ではない。それに比べて今のバンドはどうなの、と(同じステージのヤマハ系アマチュアバンドが普通にださかったので安心した)。
で、途中で寝落ちして復活したあたりで何かが壊れ、思いついた駄洒落をストックすることなく全て発話しつつ不気味に踊り続ける人となり、鍋奉行の威光は地に落ちたのだった。
皆が帰った後、不意にまろび出た稲荷など拝みつつ就寝、起床後手持ち無沙汰に台所を片づける。排水が詰まっているので騙し騙し水を流していたのだが、やがて起き出したnukaさんによる排水口のバスケットから生ゴミを掻き出す献身によって状況が好転、さらに歯ブラシでバスケットの目詰まりを清掃すると金属の光沢が甦り、見事に水が流れるようになった。素晴らしい! これでストレス無く料理できるようになり、昼食に小松菜と椎茸とベーコンの炒め物を作り、残った鍋を卵雑炊にして完食。2日に渡った鍋がようやく大団円を迎えるに至ったのだった。気持ち良く膨大な食材を食べ尽くしてくれた皆さんありがとう! 今度はピザとポテチとコーラでビデオでも見ようぜ!(燃え尽きダウングレード)