『月刊COMICリュウ』創刊号(徳間書店)

書店で表紙を見て「これなんて自販機雑誌」と。絵は中澤一登なのだがいわくいいがたい徳間感というか生頼範義感というか、要するに泥臭さが漂う。宮部みゆき京極夏彦作品の漫画化も『コミックバンチ』みたいな場末感を強調しているし。うーん何だかなあ。五十嵐浩一「リヴァイヴ!」の、中間管理職となった元おたくの40男がフィギュアとの出会いによってオタ復活、娘はメイド喫茶でバイト中……という内容が、雑誌の想定読者層を正確に反映しているようでしんどい。
で、期待と不安のもとに読んだ吾妻ひでお不条理日記2006」だが、『うつうつひでお日記』での読書量を物語る(読者としての)現役感はなかなか楽しい。ついmixiの元ネタ探しコミュとか入っちゃったよ。
石黒正数ネムルバカ」は『それ町』の歩鳥と紺先輩の数年後の話だと思って読むと切ないものが。
そんな風に面白い作品はそこそこ載っているのだけれど、次号からも買おうとは思えない。実際かつての徳間メディアミックス系漫画の流れは角川系ほかのマニア系雑誌に吸収されているので、今『リュウ』が徳間の旗を掲げて再来しても居場所がない。アフタにアワーズに大王にREDにGXに……このうえこの手の雑誌を増やす余地はあるのか。あっIKKIもあったか。ちなみに最も面白かったのが安永航一郎だったのは秘密だ。