森の小さな教会で

友人夫妻の結婚式に出席。私は受付担当だったので早めに会場へ。中目黒の古びた小さな教会は、地元のコミュニティの中心になっているのだろう地に足のついた暖かさがあり、新郎新婦の人柄を忍ばせた。式が始まり、ウェディングロードを新郎新婦が入場。外の喧噪が微かに聞こえるなか、光に満ちた教会に厳かな祈りと賛美歌が流れる。神妙な表情の新郎と、終始笑顔の新婦の対比が、鮮やかな身長差とともに印象的だった。
式が終わり、近くのパーティ会場へ移動。映像音響機器の設営を手伝う。ていうか床に這わせたケーブルをひたすらガムテープで固定、業界用語でいうと「バミる」。ケーブルに主役が足を引っ掛けるなどということがないように丁寧にバミる。バーミヤンバーミヤン。ちなみに店は本格中華ではなくイタリアン。そうこうするうちに会場が人で埋まり、主役も登場してパーティ開始。司会進行、夫妻の生い立ちを語るスライドショーの作成、写真やビデオの撮影、DJなどほとんどが夫妻の友人たちによる手作りの気の置けないパーティ。某小説家の方による祝辞もとても素敵だった。個人的にファンなので、お話できて嬉しかった。
続いて居酒屋での2次会へ突入。我々のテーブルは新郎の同窓生である早稲田の文科系サークルの面々と同席。この人たちがサブカルにして酒乱というワセダ飲みの強力なグルーヴを発散、その波に否応無しに巻き込まれる。いかなる運命の悪戯か我々の席にだけカラオケ装置があり、「乾杯」やら「恋とマシンガン」やら、果ては新郎新婦に無理矢理「てんとう虫のサンバ」を歌わせるなど狼藉三昧。口火を切ったのは私の「哀愁トゥナイト」だがな(……)。締めの新婦挨拶では笑顔で「みんな、カエレ!」と宣告され、カエレコールが巻き起こる。ちなみにカエレコールを始めたのも私です(……)。そんな阿鼻叫喚の楽しさでした。他のテーブルは引いてたらしい。ごめんよごめんよー。
てなわけで、全体に新郎新婦の交流関係の豊かさと人間の暖かさを実感させる、素敵な祝席であったのでした。主役そっちのけで客が楽しんでしまったような気もするけど、それも新郎新婦の人を寛がせる器の大きさと、二人を祝う皆の喜びの表れということでどうかひとつ。
お二人ともお幸せに。これからもよろしく。