『ハチミツとクローバー』chapter.2

原作初期のテンションの高さとアニメ版の目指すリアリティの水準が、多少コンフリクトを起こしていたような印象を第1話からは受けたけれど、この第2話の出来は抜群です。いやー期待してて良かった。淡い色調の美術と色指定、リアルなレイアウト、原作の重なりあい揺れる線から慎重に選ばれたキャラクターのフォルムが作り出す、落ち着いた画面の佇まいがとても良い。アニメ版で付け加えられた山田とはぐの出会いのエピソードも自然で、はぐの天才性もさりげなく示されている。はぐが同年代の山田と親しげに語らうのを見かけた花本が、長野でのはぐの抑圧ぶりを思い出す場面での回想カットの挿入や、そこから原田と理花と過ごした日々や来し方を省みる一連の流れは、そこで流れるスガシカオ「8月のセレナーデ」の効果も大きく(前回のスピッツよりあざとさを感じさせない)ちょっと泣ける仕上がりになってました。最初に感じた声優の演技の違和感もだいぶ薄らいだ。どころか結構はまっているのではないか(現金な)。はぐに声が付いて動いているのを見ると、同性の同級生がむかつくのは無理もないと思った(笑)。この世界観の中に森田の存在が普通に収まっているのはなかなかのバランス感覚ではないか。森田のホームページはその悪辣な作りを実際に見せてほしかったな(ていうかハチクロ公式サイトの作りもどうかと思うぞ)。