『仮面ライダー響鬼』十二之巻「開く秘密」

魔化魍弱いよ魔化魍。今回は強化された童子と姫の攻略が戦闘の主眼なのは判るが、それにしても「ぬりかべ」はあっさりやられすぎ。公式ページにも「下方をはらうと、逃げ出すと言い伝えられている」と来歴が述べてあるのだから、頭部へのキックでダメージを与えられなかった響鬼が一転、猛然と脚部にタックル、ぬりかべ転倒。しかる後にドンドコドーン、なんて展開でも良かったような(地面に倒してしまうとぬりかべの巨大感は出ないか)。
緑大猿による映像記録と(ワイヤレスのポータブルTVで受信できるのは汎用性高いぞ)、立花のおやっさんによる資料調査によって弱点を発見する、この段取りが実にスマートでクレバー。敵の武装が時間切れで解けるのを待つ、というヒーローらしくない戦術の地味さを、「鍛えてないやつがいきなり強くなろうとしても駄目だ」という響鬼の台詞が覆って説得力を持たせている。「たちばな」地下の武器開発室に迷い込んだ明日夢に、みどりが鬼や猛士について説明する件りと合わせて、設定の積み重ねが「設定倒れ」に終わらないあたりがさすが。関東の鬼の名簿とか、ディスクアニマル式神であるとか、明日夢ならずとも観ててワクワクしました。みどりさんが音撃武器を重そうに持ち上げることで響鬼の鍛えぶりを示す演出など芸が細かい。
明日夢パートでは、少年時代のヒビキさんが自分と同じような悩みを抱えていたことを幼馴染みのみどりさんに聞かされて、万引き騒動以来の心の霧が晴れる、ということよりも何よりも。もっちーとあきらのファーストコンタクト、明日夢のハーレム状態が(笑)。ヒビキさん—みどり—香須実も何やら三角関係めいて(イブキさんも加えると四角か)いろいろ見所満載。みどり、香須実それぞれの仕事とヒビキさんへの真摯な関わりが大変に良かったです。萌え特撮だ。萌え対象はもちろんヒビキさん(……)。