『交響詩篇エウレカセブン』第1話「ブルーマンデー」

サマー・オブ・ラブと呼ばれる大異変を経た世界。イギリスの工業都市みたいなくすんだ街で、閉塞感を抱えながら過ごす少年・レントン。そんな彼の退屈な日々は、巨大ロボット「LFO」を操る少女・エウレカとの出会いによって一変する。
未来少年コナン』と『フリクリ』の出会い(ちなみに『キングゲイナー』は未見)。災厄後の世界、老人と2人で暮らす少年の前に現れる謎の少女、老人との別れ(死別?)、旅立ちに至るまで、物語は『コナン』的な少年冒険ものの定型をなぞる。その一方で日常の退屈さや風俗、サブカルチャーの記号は『フリクリ』的なアクチュアリティへの志向を感じさせる(そこに引っ掛かる人の気持ちが判らないでもないが「オタクのオサレ忌避」についてはスルーしたい)。そういう意味では新しいものはないのだが、作者が見通せる範囲の世界を徹底的に作り込もうとする姿勢は、良作を期待させる。『絢爛舞踏祭』のような地味アニメにもなりかねないがそれはそれ。初回は今時貴重な手描きメカがぐりぐり動きまくる作画が何より快感だ。画面の作り込みのセンスが古い気がしないでもないけれど気合いは充分に伝わる。あとは1年間のシリーズを回すリソースが、作劇・作画両面でGONZOBONES*1に期待できるかどうか。ともあれ一本はこういう気合いの入ったSFアニメがないと寂しいので当然視聴継続(『アクエリオン』はネタアニメに着地しそうだし)。

*1:うわ恥ずかしい間違い。でも不安はそのまま。