難破船のセイラー

NHK『今夜は恋人気分』に尾崎亜美小原礼夫妻が出演するというので見てみると、小原のプロフィールに「初のソロアルバムが音楽専門誌で1位」とあり驚く。初ソロというと『ピカレスク』だが、そんなに評価の高いアルバムだったのか。『ミュージックマガジン』あたりの年間投票かと検索してみたが確認できなかった。ちなみに「小原礼 ピカレスク 位」の検索結果にも驚く。ブックオフで拾えたら聴いてみよう。
番組が始まって数分でNHK-FMライブビート』に切り替える。かつて番組MC鈴木慶一が強力に影響を受けたバンド・セイラーの70年代のライヴだ。これはとても良かった。汎ヨーロッパ的というか脱アングロサクソン的というか、南欧・地中海あたりの歌謡性を匂わせるサウンドは、なるほどクラウン初期のムーンライダーズを思わせる。思えば『イスタンブール・マンボ』あたりのライダーズは、一方でボズ・スキャッグスやハース・マルティネスの米国AORに惹かれつつ、同時にセイラーや10ccなどのニッチな英国ロックに浸っているという奇妙なバンドではあった。セイラーの紙ジャケ復刻盤とか欲しくなるが、財布を叩いても煙も出やしねぇ。