身振りが生むグルーヴ

タモリ倶楽部』の「エアギター大会」を観る。楽器を持たずに曲に合わせて楽器を弾く演技を競う、と説明するとバカみたいだがバカだ。笑いながら、以前観た「ふちがみとふなと」のライヴを思い出した。(→感想)えらいものを思い出すと言われそうだが、あのステージで渕上純子の体の動きが、楽器に拠らない律動と抑揚によってグルーヴの一部となっていたように、猛然とギターやドラムを演奏(?)する演技者の動作は、それ自体がビートを、グルーヴを生み出していた。ステージアクションというものは伊達ではないのだ。あるいは世に言う「ヲタ芸」というやつも、ステージ上のアイドルの振りや歌声に自らの身体をもって参加しようとする、ポリフォニック/ポリリズミックな営為なのかもしれない。などと言うと「電車男」に対するレスがギリシャ演劇の「コロス」に相当するとかいう言い種のようで何ともはや。ああもうすぐ「しりとり若獅子戦」だ。