『マリア様がみてる〜春〜』

考えてみればテレビが壊れて以来、我が家の視聴環境は、ビデオチューナーの出力をパソコンに受けてテレビ代わりにしている状態なので、リアルタイムで観るにせよ録画するにせよ、どっちみち裏番組は観られないのだった。
そんなわけで朝も早よから観たのは『マリア様がみてる〜春〜』のほう。
さらばデカレンジャー。さらば青いイヌの人。人じゃないか。

原作『マリア様がみてる』の主要な魅力は、案外オーソドックスな学園コメディの部分じゃないかと思う。
それだけに前回のアニメ化における「お嬢様」「耽美」「百合」という表層に捕われた解釈には大いに不満があった。第一このスタッフは、取り回しのきかないキャラデザインも手伝って、ギャグ演出が下手なのだ。
今回の続編でもその印象は変わらない。第1話に選ばれた「長き夜の」は、シリーズ中屈指のコメディ編だったのに、なんでこうつまらなくできるかな。面白いところを全部ぶっちぎってただの顔見せ話にしちゃうんだもんなあ。
シリーズ全体の流れとしても、祐巳が初めて小笠原家と関わる重要なエピソードなのに、祥子様のお母様である清子様との交流描写は一切なし。もっとも山百合会の顔見せにしてしまった時点で、広大な家に残された小笠原の女たちの悲哀、というテーマはどこかに行ってしまうんだが。それにしてもなあ。
桜井弘明佐藤順一が演出した『アニみて』というのを観てみたい気もする。無理か。
あとは仏像スキーとドリルの人に期待しよう(何を?)。