「音楽が重要じゃなくなった」とか今さら

クーラーが数年壊れっぱなしで窓を開けざるをえないため、レコードを思いっきり聴くことができないのだった。ヘッドホンは暑い。で、窓から吹き込む風雨を避けて窓を閉めざるをえなくなった今、先日のレコードフェアで買って聴いてないレコードをかけているのだった。音楽にとって重要なのは窓の開閉だ。つか冷房だ。

SALSOUL SENSATION/SALSOUL EXPLOSION('76)
邦題「恋のタンジェリン」。実はサルソウル・オーケストラの関係作かと思って買ったら、何の縁も無い西ドイツのディスコバンドなのであった。フィリー〜サルソウル風の甘いストリングスと女性コーラスをフィーチャーしているものの、場末の歌謡キャバレーのハコバンめいたうら寂しさが終始つきまとう、えも言われぬ味わい。もともとイージーリスニングのオーケストラがディスコ・ブームに便乗したと言われればさもありなん。この嘘臭さが好事家にはたまらない?
LARRY YOUNG/YOUNG BLUES('60)
ラリー・ヤングは「オルガンのコルトレーン」なんて呼び名もあるくらいで、もっとスピリチュアルというかドロドロしたイメージがあったのだが、この初期作は非常にわかりやすくスゥインギーな、ジミー・スミスなんかに近いオルガン・ジャズ。しかし弱冠20歳の若者がこれを演奏していると思うと凄い。