『おねがいマイメロディ』3週分

更新とか諸々の気力が萎え切った今、マイメロだけが生きる支えです(やや本気)。

第33話「みんな来てくれたらイイナ!」

歌ちゃんの誕生日の妨害工作で連続する事件を、巻き込まれる各キャラを立てつつテンポよく捌いていく演出と脚本が上手い(いつも言ってるけど)。どんな異変を察知しようが生クリームの泡立てを優先するマイメロはパティシエの鑑。魔法抜きで狂気を現出させるデスポエマー軍団には突っ込む気力もなく。マイメロのケーキを文句たれつつ食すクロミ様の可愛さもさることながら、歌のために奔走しながら肝腎な時に素直になれない小暮くんの可愛さがもう異常。歌・小暮・柊の三角関係というラブコメの本道を外さないのはさすがに主役エピソードとはいえ、萌えレベルでいえば明らかに小暮>>クロミ様>>>>>>歌ですよ! いいのかそれで。

第34話「ヒーローになれたらイイナ3!」

特撮ヒーローオタの菊池くんと奏姉ちゃんの恋愛話も3本目。「3かよ!」というだけですでに苦笑を誘うが、謎の作中映画「ハルノスケの動くアホ御殿」もパート2と(副題「スシの逆襲」……くだらねぇよ!)、このしつこさがマイメロ。「ハウル」を再現して御殿の各層をマルチプレーン風に動かすなど無駄に芸が細かい。1コマ作画で7色の煙を曳くスシミサイルはDAICONIVか。面白かったけど、こういうパロディで笑わせるのは本来の芸風ではないような気も。食べかけのグラタンの残量で時間経過を示すとか、信号機の色での心理描写とかの演出が細田守っぽい。江島泰男って人なのね。覚えた。いじけた菊池がダンゴムシと化す画とか、ギャグの感覚がいつもより少女漫画風なのが個人的にツボ。恋愛の酸いも甘いも噛み分けたマイメロママは大人の女だなあ。「傷付いた心の絆創膏は新しい恋よ」幼いお子様の知育にも最適なアニメですね!

第35話「幸せが見つかったらイイナ!」

朝4時起きで新聞配達のバイト、クロミ様の朝食作り、部屋掃除、僅かな自由時間で地域の子供や老人と交流、そして午後からは黒音符集め――そんな、あまりにも濃密なバクくんの1日を切り取った、山田隆司脚本渾身のドブ板リアリズムアニメに山田洋次も泣いた。朝の空気を謳うバクくんのポエムは、ほとんど立原道造谷川俊太郎の域に迫る清冽さだ(よく知りませんが)。つーかキミ、33話で朝からマイメロのストーキングしてたがな、しかも3日連続で。その間バイト休みとなればそらキツイわな。バクくんが自分以外の女を崇拝することを許さないクロミ様は、ツンデレというよりメンヘル? しかしそんな濃ゆい30分が15秒の次回予告に凌駕されようとは。「マイメロはSFじゃない」論争が『SFイズム』あたりで勃発しそうだ。もうないのか『SFイズム』。