『ハチミツとクローバー』chapter.24

竹本の「サイクル野郎」編完結(途中で童貞を失ったわけではない*1)そして帰還をもってアニメ版も終了。初回冒頭の竹本のモノローグや、回転する自転車の車輪と観覧車のシンボルイメージから明らかなように、最初からゴールを定めて平仄を合わせた竹本視点の青春物語として、それなりにまとまりのある最終回だった。もとよりここで物語が終わるはずもなく、中途のストーリーを「終わりのない人生」に置き換えてみせたのは、未完の作品の映像化として最大限の配慮の結果といえるだろう。もっともその誠意がアニメ版を最良の関連商品の位置に留めてもいる。『カレカノ』や『こどちゃ』はなかなか作れないということだ。実写的な緻密なレイアウトや整序された場面転換によって、少女漫画独特の(ていうか羽海野チカの)渾沌とした語りや画面が驚くほど判り易いものになっていたのは、収束に向かう原作の、映像と音声による再読という意味で役立つものではあった。特に中盤から終盤にかけて、山田さんの悪意がないがゆえのタチ悪さが非常に腑に落ちました。結局山田萌えアニメだったといっても過言でなく。スネオヘアーのエンディングはやっぱり良いなあ。

*1:ハチクロ』と『サイクル野郎』の両方を読んでて、なおかつここを見てる人間がどれだけいるというのか(いねぇ)。