霧雨

雨模様だったけれど石神井公園まで早朝散歩。狭い歩道に大きくはみ出した木の枝に傘を奪われて、片手運転の自転車ごと倒されそうになる。つい数日前はこんなに枝が伸びていただろうか。危なっかしいので傘を閉じると、霧雨がシャツに吸われてしっとりと体を包む。
公園に着くと、弱い陽光と雨の下で草木が色を濃くしている。普段は目に留まらない無数の蜘蛛の巣が、細かい水滴を網の目に鏤めて白く浮かび上がる。どの巣も一様に水滴の重みで撓んでいる。水辺観察池の止まり木に、ゴイサギが脚を据えて微動だにしない。三宝寺池の周りを歩いていると、水辺りの石伝いにやはりゴイサギが歩いている。大きさが小振りなのは幼鳥なのだろうか。足音を忍ばせて近寄ろうとすると、飛び立って薮に隠れてしまった。