『仮面ライダー響鬼』二十三之巻「鍛える夏」

夏恒例の太鼓修行にトドロキを同行したヒビキさん。専門外の太鼓に手こずるトドロキには、なぜ弦の鬼の自分が太鼓で鍛えなければならないのか判らず、修行にも身が入らない。一方で明日夢も、ブラバンに入部が遅れたこともあり、志望のドラムではなくホイッスルを練習することに不満を感じていた。「何で」と理由を問うトドロキに、「お前は後輩で、俺は先輩だから」などと、判るような判らないような答えを返すヒビキさん。
誰しも覚えのある新人時代、時には理不尽に思える仕事を「何故」の思いを飲み込んで受け入れなければいけないことがある。それが後々力になる、というのは近代的な教育システムというよりは前近代的な徒弟制度の思想だろう(それは日本の社会風土に浸透している)。その基盤には師匠への絶対的な信頼と、自らの未熟への省察がある。『仮面ライダー響鬼』が徒弟制度的な人の繋がり、連続性の復権をあえて現代に主張しているのは明らかだ。何事にも合理的な説明を要求する現代っ子の視聴者をいかに説得するか、ここに作品の真価が問われているといえるだろう。しかしこういうテーマ性を主張するのに、ライダー恒例のパワーアップ話を充てるとは。
黒から白の夏服に衣替えして強くなった「夏のやつら」。衣替えのある怪人てのも凄いな。愚痴を漏らすトドロキを叱咤する日菜佳はさすがに猛士の娘。「ザンキさんの使ってた緑の太鼓」に反応するトドロキ。可愛い奴。持田さんのチア姿は意外にあっさりでした。次回、ヒビキさんが赤鬼に!