雨森

朝6時に外に出ると、雨が疎らに落ち始めている。濡れて困るものでもなく、傘を持たずに自転車で石神井公園へ向かう。まだ熱いクリームパンとソーセージロールを牛乳で流し込みながら、石神井池のほとりを歩く。紫陽花の華やかな咢の中心で、いくつもの小さな花が開いているのを眺める。三宝寺池に移動する頃には少しずつ大降りになってきた雨も、鬱蒼と茂った木々の下にはほとんど届かない。家鴨とカルガモも雨宿りをしているようだ。厳島神社の小さな東屋から、閉じ込められた合唱サークルの歌声が流れてくる。いつ止むとも知れない雨の中、意を決して林を出て帰路へ。ずぶ濡れにはなったものの、6月の雨はそう冷たくもなかった。