オタ話の場所

『monoマガジン』を立ち読みしたら、「オタクはデブでも高音早口」こと岡田斗司夫の日記連載が最終回を迎えていた。思えばこの回の話題である岡田とサッカーファンの抗争にしても、すでにネット上では消費されてしまい新鮮なものではなくなっている。リアルタイムなウェブログに慣れた読者には、進行中の日記を時差のある雑誌媒体で読むことの意味が希薄になっていたのだろう。
そういえば、92年から98年くらいの間、私はエロ漫画誌エロゲー雑誌の連載コラム、読者欄、作者近況、編集後記といったものをかなり広範に拾い読みしていた。身の回りにオタクの友人がいなかったので、ヴィヴィッドなオタ話というものに飢えていたのだ。オタクをめぐる言葉というのはこうしたニッチな場所に埋もれていたのだが、パソコン通信を経てインターネットが普及し、オタ話はネットの言語空間の主流を占めるようになった。私も90年代の終わりにようやくネット環境を得て、エロ漫画誌を(漫画そこのけで)隅々まで読むことはなくなった。
グラビア系エロ雑誌がネットによって苦境に立たされているように、エロ漫画誌の読者欄などが担っていた「オタ言説空間」も、その熱を失っているのかもしれない。ところであらゆる雑誌の読者欄に独特のヘタウマ絵を投稿していた三峯徹は、お絵描き掲示板に活動の場を移していたりするのだろうか。どうでもいい話ですよ。