『仮面ライダー響鬼』七之巻「息吹く鬼」

明日夢くん高校合格おめでとう! 仲間たちと喜び合う姿を音楽に合わせたリズミカルな編集で見せるシークェンスが、高度成長期の東宝映画のような高揚感があってとても良い。しかも「鍛えましたから!」なんて舞い上がっている明日夢を、その後の展開でしっかり凹ませるあたり、成長物語として実に手堅い。
山に隠って尋常でない鍛え方を、歌いながら続けるヒビキさん。継続は力。肉体美と暴れ太鼓に思わずウホッ。黒光りスーツにふんどしという鬼の造型といいヤバいよ薔薇鬼さん。
そしてついにその力を見せるイブキさん格好良いよ威吹鬼さん。バイクの名が「竜巻」なのはサイクロンやハリケーンへのオマージュだろう。バイクといい変身ポーズといいキックといい、響鬼よりもライダーらしいのは一種の保険なのか。響鬼の赤と対になる青を基調にしたスーツ、接近戦の響鬼に対して銃を用いた遠距離戦と、キャラクター配置のバランスも考えられている。思わず悶える新CMでネタバレされたトランペット攻撃は今週中に見たかったが、この内容密度では無理か。ディスクアニマルの蛇は造型的な面白さでは譲るが、そのぶんレインボーフィルム仕上げで購買意欲を刺激。
ヒビキさんの修行場所へと向かう明日夢と、イブキさんの弟子の少女・あきらが初対面。電車で妊婦に席を譲ろうかどうしようか迷う明日夢の前で、あっさりと善行を成し遂げるあきら。さらに目的の駅を寝過ごして、徒歩で山に入る無謀を冒す明日夢。一方、タクシーでスマートに目的地に向かうあきら。こういう対比、障害の作り方も実に自然。童子の触手に襲われる場面といい次回予告でのキツイ優等生ぶりといい、初登場にしてサービス満点なあきらたん(実況スレでのツンデレコールに笑った)。きっと明日夢やひとみと同じ高校に入学して、ラブコメな展開を見せてくれるに違いない(予想というか妄想)。