大量カタルシス

久々に中古CDを一気買い。SHOP99で深夜に買い物する類の快感。
◎5枚300円CD@ブックステーション
SANDII『WATASHI』(96年)
このアルバムは完全にスルーしていた。久保田麻琴との協同作業はこれが最後期だろうか。サウンドは従来のチャンプルー感覚を抑え気味に、ブラジル人ミュージシャンと共演しての本格的なブラジル音楽でほぼ染められている。プロダクションが控え目なだけに歌もの作品としての完成度、美しさはサンディーの作品群でも特筆すべき。サンディーによる飾り気のない日本語詞も、かの地のサウダージと混じり合い豊かに情を伝える。ラストを飾る久保田—細野晴臣による「LIFE」は、当然ながら浮いてはいるがやはり感動の名曲。
キリンジ『鋼鉄(ハガネ)の馬』(シングル 02年)
この曲も全然印象にない。アンテナ低いなー。冨田恵一から離れてのセルフプロデュースによる、非マッチョ系へなちょこカントリーロック。気持ちは判らないでもないがちょっと無理がある。
BLIND MELON/SAME('92)
ファンキーに弾むリズム体に、ヘヴィなリフを刻むギター、シャウトするヴォーカル。いわゆるミクスチャー・ロック、というより普通にハードロックか。『聖なる館』『フィジカル・グラフィティ』あたりのZEPを聴けばいいじゃん、てのは言わないお約束か。ていうか結構そのまんまだなあ。好感の持てる底の浅さ。
DREAD ZEPPELIN/5,000,000*('91)
ZEPといえばこれも。レッド・ツェッペリンの曲をレゲエ/スカで演奏するという色物バンドなのだが、非常によく出来ている。ヴォーカルスタイルがなぜかエルヴィス・プレスリーなのも念が入っているというか。冒頭The Song Remains The Sameでまず笑い、締めのStairway To Heavenでまた笑うが、「階段」はフランク・ザッパのバージョンには負けてるな。まあ正直パターンが飲み込めると途中で飽きてくるのだが(笑)そこは御愛嬌。
JESUS JONES/PERVERSE('93)
このへんも通り過ぎてきたんだなあ。これを今聴いて陳腐だというのはフェアじゃない、とは思いつつもソフトバレエとか布袋とか本末転倒に連想してしまうのはいかんともしがたく。
◎各750円CD@ブックオフ
V.A./BRAZIL BLUE('93)
MPBの編集盤。ミルトン・ナシメントもジャヴァンもジョアン・ジルベルトもエルメート・パスコアルもエリス・レジーナイヴァン・リンスも入って20曲収録はお買得。ブラジルに突っ込むとキリがないと腰が引けている私のようなリスナーにはこれで充分か。
THE MOODY BLUES/ON THE THRESHOLD OF A DREAM('69)
「サテンの夜」→メロトロン→プログレ、というイメージで認知されているかもしれないが、これはもう雑駁に言うところのソフト・ロックという括りでよろしいか(誰に訊いているのか)。弾けようとして弾け切らない上品さ、フォーキーでもあるほのぼの感が、英国式庭園の東屋で紅茶を啜るがごとき味わい深さ。マイク・ピンダーのメロトロンの響きは、森を覆うくすんだ霧のように体に馴染む。いやこれは良いよ。若くしてこの爺むささが英国流。