AZYMUTH/CARIOCA('89)

三鷹パレードにて800円で購入。
ブラジルのフュージョン・トリオ、アジムスのマイルストーン・レーベルにおける最後のアルバムであり、本作への参加をもって中心メンバーであるキーボードのホセ・ロベルト・ベルトラミが一旦脱退している。アジムスにとっては一つの時期の終わりを告げた作品なのだろう。意表を突く曲展開、メカニカルなアンサンブル、リズムの不思議な訛り、3人の間の強力なテンション……。こうしたアジムス全盛期の特徴はやや影を潜め、全体にレイドバックした空気が漂っている。ベルトラミのピアノはややイージーに流れ、イヴァン・コンチのドラムの切れも弛んでいる。その中ではアレックス・マリエーロスの強烈に「引っ掛かる」スラップベースが変わらず快感だが、アルバム中一番良いと思えた"GUARATIBA"ではリズム体が入れ替えられベルトラミのソロ状態になっているのだ。大部分の作曲も担当したベルトラミの置き土産といったアルバムか。悪くはないが初期作品ほど愛聴はしないかもしれない。