ぼくのかんがえたひびき
ついに今週の放映を見逃してしまった。録画もしていないが別にいいや。
この際だから脳内放映中のオレ響鬼でも晒し上げ。mixi響鬼コミュ内のトピック「自分達で考えるストーリー」に刺激されて書いたものだが、意図としてはイブキとあきらのキャラを立てること、布施明演じる小暮とアームドセイバーの存在を旧響鬼の世界観に回収すること、この2点を目指した。とりあえず前編のみ。
三十二之巻「荒ぶる風」
豪壮なマンションの一角。何台もバイクが並ぶ(もちろん全てホンダ)ガレージの奥には、ツナギを着て油まみれでバイクと格闘するイブキの姿。それを手伝うあきらも、小さい体には余る大きさのツナギを纏っている。
作業しつつバイクのメカの蘊蓄を嬉々として話し続けるイブキ。
「イブキさん、バイク屋さんになれば良かったですね」と苦笑するあきら。
イブキ悪びれず「うん、ぼくも高校くらいまではそう思ってたよ」。
冗談のつもりが思いがけない答えに驚くあきら。
イブキ平然と「あ、そこのレンチ取って」……。
都内某所の洋館。古風な窓のガラスが激しく音を立てる。
紳士「風が強いね」
淑女「そうねえ」
紳士「これからもっともっと強くなるよ」
淑女「もう何もかにも、全部ふっとんじゃうね」
二人の傍らの暗がりには、淑女にそっくりの黒い傀儡の姿が……。
城南高校。ホームルームではボランティア授業の一環として、老人ホームでの芋煮会の企画が議題に。珍しく出席しているあきら。休み時間も芋煮会の話で盛り上がるのだが。
あきら「…私、その日はたぶん行けないと思う」
ひとみ「そっかー、天美さん大変だもんね。オリエンテーリングの大会頑張ってね」
あきら「……え、ええ」
屈託のないひとみの笑顔を前に、親しくなるほどに嘘を付くのが辛くなるあきら。そんなあきらを気遣わしげに見つめる明日夢。
たちばなを訪れたイブキ。店の奥から楽しげに談笑する声が聞こえる。
一人は勢地郎、一人はみどり。だがもう一人の、よく通る深い声は。
「よお、大きくなったなあ伊織くん」さも感慨深いと言わんばかりの口調。
「……イブキです。御無沙汰しています、小暮さん」一瞬の笑みを噛み潰し毅然と答える。
この男こそ猛士の重鎮にして、吉野で武器開発に携わる小暮耕之助であった。
とある山中。例によって鍛えまくっているらしきヒビキとトドロキの姿。
特に腹筋を鍛えているらしく、「300………350………」と上体を持ち上げる。
ヒビキは替え歌など歌う余裕だが、トドロキは少し苦しそう。
さらに、重そうな石を軽々と持ち上げ、トドロキの腹に落とすヒビキ。
トド「ウヴォッ。……い、いきなり何するんスかヒビキさん!」
ヒビキ「なんだよそのみっともない声は。だから鍛え方が足りないっつーの」
心なしか顔が笑ってるヒビキ。
山中、木を切り倒している林業者。他に誰もいない場所に、突然声が。
童子「おじさん大変そうだねえ」
姫「大変そうだ」
童子「手伝ってあげるよ」
姫「手伝う、手伝う」
突然強風が吹き、耳をつんざく風切り音とともに、周りの木々の幹に切れ目が入る。
一斉に林業者に向かって木が倒れてくる。絶叫。(前半終了)
後半。
たちばなで同じテーブルに就くイブキ、みどり、勢地郎、そして小暮。
テーブルの上には袱紗に包まれた長い物体が。小暮の開発した新兵器であるという。
使いこなすには特殊な訓練が必要で、そのためにヒビキとトドロキは鍛えに入ったと。
「僕では不足ですか」珍しく気色ばむイブキ。
「いや、一度に三人も現場を離れるわけには」とフォローする勢地郎。
だが小暮は「何だ、ずいぶん自信がないんだな」と挑発。睨み付けるイブキ。
小暮、静かに「君には君のできること、するべきことがあるだろう」
その言葉に何かを思い出したように、ハッとするイブキ。
そこに電話をとった日菜佳の、緊迫した声が。
「石田さんからの通報で、●●山に魔化魍が」顔を見合わせる一同。
ヒビキとトドロキ、滝に向かって発声練習。
二人「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ、カ・ケ・キ・ク・ケ・コ・カ・コ」
ヒビキ「ダメダメ、腹から声が出てない。そんなんじゃ滝の音に負けちゃうでしょ」
トドロキ、やけ気味な大声で「アメンボ赤いなあいうえおー」
ヒビキ「お綾や親にお謝り」
トドロキ「おやややおやりおややらり」
ヒビキ「全然言えてないじゃん。もっと口を大きく開けてハッキリと!」
トドロキ「……ヒビキさん、これ何なんすか」
ヒビキ「何って、滑舌の訓練」
トドロキ「いや、そうじゃなくてですねー、何で鬼が滑舌鍛えなきゃいけないんすか」
ヒビキ「鍛えてないと本番で困るからだよ。ほら次いくぞ。青巻紙赤巻紙黄巻紙」
トドロキ「あおまきまみあかまみまみきまみまみ」………
学校。人気のない階段の踊り場に佇み、もの思うあきら。そこに通りかかる明日夢。
「あきらさん、探したよ。放課後に芋煮会の打ち合わせあるって言わなかったっけ」
「……私、どうせ行けないと思うから、打ち合わせなんて」
「そんなこと、今から判んないでしょ、みんな待ってるし」
「私、学校やめるかも」
「! 急に何言い出すんだよ」
「だって、仕事忙しくてほとんど来れないし。鬼になるなら修行に専念したほうがいいし。……それに、ここに私がいなくても、別にいいと思う」
「そんなことないよ!」強く言い募る明日夢に向き合うあきら。
目線を外し、階段を走り降りていく。茫然と見送る明日夢。
学校を出たあきらの携帯に、イブキからの着信が。●●山に魔化魍が出現とのこと。
現場に向かい竜巻で山道を走るイブキとあきら。道は倒木で寸断されている。
木の断面は鋭利な刃物でもありえないような滑らかさ。
竜巻を降りて山に入るや、童子と姫が現れ、すぐに異形の姿となる。
イブキ、変身するが射撃の間合いが取れず、旋風脚で応戦するも苦戦。
ディスクアニマルで援護するあきらだが、突風にDAが吹き飛ばされる。
風音と獣の声が混じり合うような声。突然鋭い音を立てて大木に切れ目が走り、あきらに向かって倒れ込んでくる。「!」(つづく)
まーるーでー透明にーなったーみーたいー。次週、三十三之巻「響き合う刃」。
スーパーーーー妄想タァーーーーイムッッ!!