SYSTEM 7/POINT 3 WATER ALBUM('94)

ブックオフにて400円。元ゴングのスティーヴ・ヒレッジ&ミケット・ジロディ夫妻によるアンビエント・テクノユニットと、周辺のアーティストたちとのコラボレート作品。リミキサーにはローラン・ガルニエ、デリック・メイ、ユースらが参加。ベードラハイハットを排し、エスニック系のパーカッションや電子音のパルスが紡ぐ、細分化されつつも緩やかなグルーヴがとても心地良い。薄く流れるストリングス系のシンセサイザーを背景に、ヒレッジのディレイの効いたロングトーンのギターが漂うと、途端に静謐な空間にリアル・ヒッピーのいかがわしさが満ちる。ゴングからシステム7まで、ミニマル+サイケという方向性が一貫しているのは偉いというか何というか。さすがに頭のおかしい人は違うというか。意識的にクライマックスを排除したサウンドに身を委ねていると、時間が無限に引き延ばされていくような感覚を味わう。それが決して退屈ではなく不思議に充実感があるのは、音の抜き差しや音色の選択によって、平坦な時間の流れに絶妙な濃淡が加えられているからだろう。