L⇔R『Let me Roll it!』(95年)

ブックオフにて250円。アルバム通して聴くのは初めてだったのだが、こんなに音の厚いバンドだったっけ。とにかく太いボトムと明瞭なギター、シンセのブラスやギミックが目立つ(音は良い!)。英国ロック風の美メロを核にしつつもやや過剰でドラマチックなサウンドは、ドラムとプロデュースの岡井大二の方向性かもしれないが、日本のジェリーフィッシュという感じだろうか。アルバム全体を占める黒沢健一の「一人レノン—マッカートニー」な個性の中にあって、黒沢秀樹作の1曲「僕は電話をかけない」が、ジョージ的あるいはXTCにおけるコリン・ムールディング的な存在感を放つ。