HIROKI INUI & TAO『砂丘』(79年)

5枚300円レコード。乾裕樹の名はアニオタにとっては『装甲騎兵ボトムズ』の音楽で、ナイアガラーには『がんばれば愛』のアレンジャーとして胸に刻まれている、かもしれない。『ボトムズ』主題歌「炎のさだめ」の印象があまりに鮮烈なので本作もAOR的な歌ものと思ったら、キーボードプレイヤーとしてのフュージョンアルバムだった(大体歌手じゃないし)。フュージョンにはいろいろ入り口があるけれど、この人はロックから来たのだろう。ジャズのアドリブやファンクの粘りはないが、整頓されたリズムと音色の配置が気持ち良い。パトリック・モラーツを思わせるリゾートプログレな鍵盤のセンスは好き。