黒いカバンは持っていないけど

市議選の演説で騒がしい巷に、パトカーや警官の数がやたらに目立つ。長崎の事件の影響なのだろうが鬱陶しいことこの上ない。で、久々に職質を食らう。自転車に乗っていると前をゆっくりと走っていたパトカーのドアが開き、出てきた警官に呼び止められて防犯登録を照会された後に解放。走り去る車の後ろ姿に小声で「しーーーーねーーーー」とエールを送る。中学生か。いやいやいやもうお勤めご苦労様です。せっかくなのでもう一度どこかで捕まって「今日は二度目ですね」などと嫌みを言ってやろうと、パトカーを探しているうちに何やら楽しくなってきた。結局この日はこれ一度きり。明日も不審人物として目の前をうろついてやる。
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 ニコニコ笑って(二対子)

ようやく私のアカウントでニコニコ動画が24時間観られるようになったので24時間観ていたら脳が痺れてきました。危険危険〜。
ニコニコがYouTubeからアクセスを遮断されたときに、ここが事実上のユーチューブ日本になるんだろうと思った。日本語で画面にコメントが付けられるという「ほんのわずかな工夫」は「大勢で一緒にテレビを観る」という失われた娯楽を復活させる。おかげでYouTubeを観ることは少なくなり、ついでにアニメ実況スレにも行かなくなった。
ただ、日本のテレビ番組やネット発のネタ映像などがYouTubeではなく国内のサーバにアップロードされるようになることで、日本のサブカルチャーが外部の目に触れる機会が少なくなるのは少し寂しい。日本の音楽やアニメに外国人がコメントしているのを読むのは楽しいし、無自覚にナショナリズムを刺激されもする。
そんなことを思いつつも、ニコニコ動画で『ゴッドマン』(『おはようこどもショー』内の帯番組だった超B級特撮)を、コメントをよすがに延々と観続けてしまうのだが。本当になんでこんなつまらないものが、これほどの吸引力を持つのか不思議。ニコニコという媒体を通すことでコンテンツの質が変わってしまうのだ。誰かピープロ川内康範ものを上げてくれまいか。

 『らき☆すた』と『ハヤテのごとく!』を見比べて

作中おたく濃度という点で、『らき☆すた』が淡々とヲタ話をするだけでマジヲタのリアリティを醸し出すのに比して『ハヤテ』はどこか「薄い人が無理をしている感」が漂ってしまう。これは原作やスタッフのセンスの差もあるが、版元の角川書店小学館の違いに由来する部分が大きいのではあるまいか。使えるネタの多寡というよりも、角川がほとんどユーザとの共犯関係を築くほどにヲタビジネスに特化しているのに対して、小学館はどこかユニバーサルな意識が残っているぶん思いきりが足りない。その体質の違いが日曜朝アニメと深夜アニメの違いになって表れているようにも思う(アクマイザー3のほうがマッハバロンより濃い、という話ではもちろんない)。

 最近の買い物

ここ数週間で買った漫画とか本とか。
山本ルンルン『宇宙の白鳥(スワン)』2巻(ポプラ社
袴田めら『暁色の潜伏魔女』1巻(双葉社
粟岳高弘『鈴木式電磁気的国土拡張機』(コスミック出版)
蒼樹うめひだまりスケッチ』1、2巻(芳文社
蕃納葱教艦ASTRO』1巻(芳文社
諸星大二郎『スノウホワイト』(東京創元社
同『私家版魚類図譜』(講談社
今野緒雪マリア様がみてる あなたを探しに』(集英社コバルト文庫
桜庭一樹『GOSICKs III ーゴシックエス・秋の花の思い出ー』(富士見ミステリー文庫
小林泰三『忌憶』(角川ホラー文庫
北野勇作『恐怖記録器(フライトレコーダー)』(角川ホラー文庫
色川武大『寄席放浪記』(河出文庫
佐々木丸美『崖の館』(創元推理文庫
佐野洋 選/日本ペンクラブ編『最大の殺人』(集英社文庫
フレドリック・ブラウン『復讐の女神』(創元推理文庫
尾辻克彦『整理前の玩具箱』(大和書房)

 しんばんぐみー(なげやり

ロミオ×ジュリエットカレイドスターの流れを受け継ぐ「良いGONZO」アニメ。以前に佐藤順一がインタビューで「アニメに対する批評で『どうしてあのキャラクター同士が恋に落ちるのか判らない』などと言われるが、好きになるのに理由は必要ないだろう」といった趣旨のことを言ってた覚えがあるが*1、ロミジュリはそういう「佐藤順一イズム」が古典を下敷きにしてぬけぬけと展開されてるような気が(監督じゃないけど)。まあ前もってロミオが(素性を知らずに)男装のジュリエットを助けるという形で下地は作ってあるけど、せいぜいそこ止まり。ロミオとジュリエットの出会いにはまさに「理屈のない好いた惚れた」のパワーが具現化されていて、それだけでちょっと泣きそうになりました(笑)好きなのよこういうの。手塚アニメでは『リボンの騎士』が一番好きな私としては当然必見。ロミジュリ×レイディオも楽しみに聴きます。
で、だいたい新番組は出揃ったところで。一番面白かったのが『瀬戸の花嫁』で、2話の出来が大変に良かった。『ながされて藍蘭島』も、あって無きがごときストーリーをダシにして堀江由衣千葉紗子の2トップと作画のパワーが全開。「深夜アニメにおけるストーリーとは」みたいな話がどっかでされてたが、あえてハナシとかテーマに振らないアニメの面白さを『藍蘭島』は示してるような気がする。押井守イノセンス』が、圧倒的な映像と思い切り頭の悪い刑事もののシナリオの組み合わせで出来てるのと同じ意味合いだ(ギャラリーの順路としてのストーリー)。これに『おお振り』『らき☆すた』を合わせて、今期は原作付きアニメが面白い(ロミジュリも原作もの、と言っていいのか。あ、鬼太郎もあった)。一方で応援したいオリジナルSFアニメは低調だ。ありもしないテーマとか大きな世界観(物語)とかを偽装しなければ企画が通らないしんどさが画面から透けて見えるようで、正直見続けるのが辛いのよ。その点『グレンラガン』は今石洋之監督(ドリル担当)と中島かずき脚本(説教担当)の役割分担が上手くいってると思った。
てなわけで絞り込むと『瀬戸』『ロミジュリ』『らき☆すた』『鬼太郎』『藍蘭島』『おお振り』『グレンラガン』は視聴継続。他は安心して観たり観なかったり。あとは『電脳コイル』を待つばかり。

*1:その流れで「ロボットに乗る理由」が殊更に問題にされる理由が判らない、という発言もあったようななかったような。

 この地獄を突き破らなけりゃ俺に明日はやって来ないんだ

地獄と書いて新番組と読む。
おおきく振りかぶって。思ってたよりずっと本気の作りだった。原作は、少年漫画をキャラクター同士の関係性から読み替えて内面性を加える、いわゆるやおい的な想像力から生まれた良作だと思うが、それだけに少年漫画と少女漫画の話法が衝突するような独特の読み難さがあった。漫画からアニメに表現を移し替えたことでそうした語りの問題が解消され、原作よりもスムーズにドラマが追えるようになっているのは意外な収穫だ。もっともそのことが作品を「地味な野球アニメ」に見せてしまっているとも言えるが、普通に面白いので視聴継続。某所の「やらないか」コメントの流れには大笑い(キャッチャーの名前が阿部なばっかりに……)。
怪物王女。内容そのものは今一つというかリーズナブルな作りだなーとしか。主人公の少年は毎回死んでは生き返るのだろうか。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー。原作が面白いらしいということはわかったので漫画喫茶で読もう。